いつまでもあると思うな親とブレード

いつまでもあると思うな親とブレード

今回は2児のパパでクラブに入って半年のつなきさんが書いてくださいました。
コーチは、関東近辺のカヌー関係者に年始の挨拶も兼ねて参加する千葉県知事杯争奪第40回クラブ対抗カヌー競技大会 の参戦記です。
今回は子供5人、大人5人の10人で参加してきました。
実はこの大会に漕ぐ時に使うインナーやアウターを忘れてしまって半袖のカグデッキで漕いだ笑
天気が良くて今までで一番暖かかったので助かった。

千葉と僕

2022年1月9日(日)
良い天気のなか、
千葉県松戸市にて、千葉県知事杯争奪第40回クラブ対抗カヌー競技大会に出場してきました。

5年間住んだ千葉県。
3年前に山梨に移住してから、
なんだかんだで初めての千葉県。

ほとんど行った覚えがない松戸市だったけど、
久しぶりの千葉県にワクワク。

まさかカヌー大会に出るために来るとはだれが想像したことか。

ドキドキワクワクのスタート

ゆるやかに流れる江戸川。
「なんか、パドルの左側がグラグラするんですよね。(笑)」
同じクラブのママさん達とそんな会話をしつつスタート地点へ向かう。

そしていよいよ。

初めて親子での大会参加。
息子と一緒のスタートラインに立ち、
出発の合図を待つ。

「ボォーーーーン。」

出発のホーンの音と共に、
約400名の出場者が一気に漕ぎだす。

波立つ水面にやや恐怖感もある中、
私もできる限り力を込めて漕いだ。
「この波に乗って、半年間の成果を!」

勢いよく漕いだ。
漕いだ・・・

あれ・・・?

パドルの両側についているはずの水かきが片方ない。
揺れ狂うスタート地点。
ただでさえ、まっすぐ進むのが難しい状況下、
左のパドルを失い、焦る。
左を漕ぐときに空を切り、バランスを崩す。
「まだここか、この先5km行けるのか・・・。」

しかし、意外と冷静だった。
「カナディアンカヌーの人は、アイスのスプーンみたいな
片っぽしかないパドルだ。今回は、見様見真似でやってみよう。」

一生懸命身体全体でバランスを取りながら、右右左左と漕いだ。
やや蛇行しながらも、ゴールを目指した。

レース時にブレード折れた人の心の声・・・

心の声①
(このパドルでゴールしたら、ちょっとおもしろい人になれる。ほら、あの人も俺のパドルが変なことに気付いた!やっぱり、ちょっとおもしろいかも、これは。)

心の声②
(せっかくだから、この片方のパドルで同漕ぐのか研究してみよう。あの高校生くらいの女の子も同じくらいのペースだし、どんな感じかよく見てみよう。→結局、この子に置いていかれたけど。)

心の声③
(このパドルでゴールしても、規定違反とかで失格になったりして。まあ、それでもゴールまで行ってみて、「えーマジすか?!」みたいなリアクションをしよう。)

パドルが折れても学びがある

ということで、のんびりゆったり、
片っぽの壊れたパドルで約1時間。
無事にゴールにたどり着くことができました。

パドルが壊れて気付けたことのまとめ
①いつも両側に水をかくところがある便利さ。
②パドルはちゃんと壊れる。物を大切にしよう。
③使うものの点検や確認は忘れずにしよう。
④貸していただいていることに感謝しよう。
⑤あきらめない気持ちで最後までやり切ろう。
⑥ちょっとアクシデントがあるくらいの方がおもしろい。
⑦新しいことをやってみることは大事。
⑧いつも笑っていよう。

以上自分のことでした。

コーチあとがき

マジやっちまったなぁ~汗
ゴールして他の選手と一緒にクールダウンしながらお喋りしてのんびり上がった。
その先につなきさんがいて「コーチ!スタートでパドルが折れてしまいました~!」
クールダウンしている時に
あれ?カナディアンの人もいるの?
5.5キロをカナディアンじゃぁ大変だなぁと思っていた人がまさかの身内でした笑
笑ってはいけない案件ながらあまりの出来事に笑ってしまう。。。
お貸ししていたパドルはしょぼいパドルだけど角度なくして漕ぎやすいし軽いから楽に漕げるだろう!
うちのパパママ位では折れることもないだろう!なんて思っていた俺にローリングソバットをくらわせてやりたい!
参加するのに4,000円、交通費も考えたらそれ以上だ。
時間や経験の価値を考えたら相当な損失だ。
それを捉え方一つでこれまで得るものがあったと言ってくれる。
甘えてはいけないがこう言ってくれると感謝でいっぱいだ。
それと同時に、もはやどの道具を誰が使うのか?自分の服すら大会へ行くのに忘れてしまい管理しきれないコーチが、他の人の道具まで管理できるわけでもない笑
こうなると、雑然と無駄に置いてあるパドルを整理する必要がある。
本当に使わないパドルはまとめて縛ってクラフトか実家へ持っていく。
それぞれのパドルの説明もする。
今週末にでもやるかぁ。
誰もが満足の行くものを提供するのは限界があることも事実。
優先順位も考える必要がある。

限りある道具の優先順位

道具の優先順位を考える。
①将来性
単純に言うと子供か大人かの違い。
各競技で世界を経験してもらいたい。
このカヌーの世界では物量で叶う夢だと思う。
もちろん、自身で試行錯誤をして想いが強くて頑張れればなお一層近づく。
50歳ですが将来世界選手権へ出たいです!と言われてクラブに入りたいと言ってきたら迷わず
「まず、てめぇで金出して練習しろ!」と言う。
過去にもクラブ費が安いからなのかどうかはわからないが道具はないし経験もない。
カヌークラブに入りたい20代の人がやってきたが、安全性、道具が壊れる、流す、0から教える時間など色んな面でできないことをお伝えした。
引き合いに出すけどスノボーをやろうと思ったって道具代に20万位と毎回リフト代や交通費がかかる。
全てレンタルで済ませようと思ったら1日1万円位かかる。
このカヌークラブの一つにコーチの趣味の子育てが基盤の一つにある。
仕事としてのカヌー屋は峡遊隊でやってます。

②やる気
これはかなり重要なことだ。
目標を持ってやってくれているなら道具を貸すのに嬉しいことはない。
一昔前は4mのスラ艇を御大層に大事に保管していたがこれはもう使いに使って子供が育ってくれたらボロボロになって捨てることになってもいいだろ?!と思うようになった。
使われない道具ほど道具を馬鹿にしていることはない。

③道具を大切に使ってくれているか?
将来性があってやる気もある。
それでも、貸した道具がボロボロになっていくと悲しくなってしまう。
言葉や自身の感情を考えながらできるだけ柔らかく、なおかつしっかり伝わるようにするのが難しい笑
何年も前に道具を懐から出して買って、カヌークラブを作ったらクラブ費で戻ってくるんじゃない?
20代の俺よ!それは甘い考えだ笑
道具の更新はいつだってある。
中古も寄付もあるけどどんな状態の道具だって長く大切に使ってほしい。

思考の脱線の行方

他にもあるかもしれないけど優先順位としてはこんなところかなぁ。
漠然とした考えだけどかわいいカヌークラブをやることでクラフトパークカヌー場峡遊隊 の将来的な人的資産が形成される。
バイトとかにお願いできるということ。
バイトをすることでそれぞれがカヌーの道具を買える。
カヌーの活動にお金を貯められる。
私がやりたい山梨県の峡南地域を作ることに繋がっている。
SDGsとか世界で言うようになって持続可能な社会をと叫ばれている。
地域作り、カヌークラブのあり方、道具についてはまさにこれ。
千葉県のカヌー協会ではこれらが本当によくできていて千葉県知事杯のような大きな大会でも滞りなく行われる。
かわいいカヌークラブもずっと続けられるようにしたいし、形をどんどん変化させていいクラブにしていきたい。

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